マクベス千秋楽を終えて
マクベスを観劇したときのことについて、ここに忘れないように記しておこうと思います。
まず、マクベス全32公演、本当にお疲れさまでした。
私は7月10日と千秋楽の2回観劇することができました。
全滅からのスタートだったので、協力してくださった方々には本当に感謝です。
ありがとうございました!
私がマクベスの原作を読んだとき、マクベスという人物についてあまり感情移入せずにいたのですが、いざ舞台となってみるとやはり丸山くん目線(マクベス目線)でみてしまうことも多く、マクベスの最期をみたときには何ともいえない感情になりました。
丸山くん演じるマクベスは、私が思っていたマクベスよりもずっと繊細で不安定で、強さと弱さを行ったり来たりの人物だと思いました。
そして、原作を読む限りマクベスという人物が冗談を言い合ったり笑顔を見せることはイメージできなかったのですが、丸山くんの演じるマクベスでは、序盤に時折見せる笑顔がとても印象に残りました。
丸山くんはインタビューで、「自分にしか演じられないマクベスを演じたい」「一人でもいいな、と思ってもらえるような物にしたい」ということを語っていましたが、まさに、このマクベスは丸山くんにしか演じられなかったのではないかと思います。
話は変わりますが、パンフレットの中の鈴木裕美さんとの対談を読んですごく印象的だった部分があります。それは、丸山くんが、マクベス夫人が亡くなったと知った後の独白の部分の台本を読んで、自然に泣いてしまったというところなのですが、これを読んであぁ、丸山くんってこんな人だったなと実感して、こんな人に演じられているマクベスってとても素晴らしいなと感じました。
初めて舞台を観た日、このマクベス夫人が亡くなったとの知らせを受けた後のマクベスの表情が悲しくて悲しくて、やりきれない思いでいっぱいになったのですが、そこではっと我にかえり、私はマクベスとマクベス夫人に物凄く感情移入しているのだな、と実感する部分でもありました。
きっと、他の登場人物に焦点を当てていたら感じ方は全く違うでしょうし、セリフ一つ一つの捉え方も変わってくるかもしれません。
それに、もし自分が一年前にみていたら、一年後にみていたら、などと考えてしまうこともありますが、
今このタイミングで丸山くんの主演舞台を観劇できて、とても自分の中で大きな物になったし、今後もそう感じていくのだと思います。
千秋楽では、1度目よりもフラットに観劇できたような気がしました。
場面一つ一つが過ぎていくにつれて、もう後戻りできないんだ、と悲しくもなりましたが、自分の中でずっとあるように、必死に目に焼き付けていました。
暗転してからカーテンコールになった瞬間、ふっと涙が出てきて、正直キャストの方の挨拶を今となってはあまり思い出せませんが、丸山くんの表情から、座長として一歩先を行き、みんなを引っ張っていったんだろうなぁと感じて誇らしい気分にもなりました。
始めがあれば終わりがあり、決まりきったことなのですが、やはり32公演続けてきたマクベスがもう観られないかと思うとすごく、すごく寂しいです。
できることならもう一度みたいし、なんで終わってしまうのだろうとも思います。
しかし、カーテンコールで丸山くんもそんなことを言っていたと思いますが、きっとこれは何かの通過点で、本当はもっともっと素晴らしいものが待っているんだと思います。
芸術に終わりがないように、きっと丸山くんはもっと素晴らしい物を私たちに見せてくれるんだろうな、という期待をこめて、これからも私は私で頑張ろう、そんな気持ちになりました。
全くまとまりの無い文章ですが、これが千秋楽を終えての私の気持ちです。
丸山くんをはじめ、カンパニーの皆様、本当にお疲れさまでした。
一生忘れられないかけがえのないものになりました。ありがとうございます。
おやすみ、マクベス。